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2008年02月23日(土) 21時28分

「ロス疑惑」の三浦元社長、27年を経て米で逮捕読売新聞

 【ロサンゼルス=飯田達人】米国ロサンゼルス市警は23日、27年前のロス疑惑「一美(かずみ)さん銃撃事件」で殺人罪などに問われ、最高裁で無罪が確定した元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)を22日午後、渡航先の米自治領サイパン島で一美さん殺害の容疑で逮捕したと発表した。
 ロス市警の要請を受けたサイパン島の司法当局が空港で身柄を拘束した。三浦元社長は同島南部ススペの警察署に拘置され、近くロサンゼルスに移送される。

 ロス市警の発表文によると、三浦元社長が日本の自宅からサイパンに向かったとの情報を得て、サイパン、グアム両捜査当局と協力して逮捕したとしている。

 調べによると、三浦元社長は1981年11月18日、ロサンゼルス市中心部で、共犯者と共に一美さんを銃撃した疑い。一美さんは日本に搬送されたが、意識が戻らないまま翌年11月に死亡した。

 米国では原則として殺人罪に時効はなく、また、日本で無罪になった事件でも訴追することができるが、日本で無罪が確定した三浦元社長の逮捕にこの時期に踏み切った詳細な理由は不明。ロス市警は発表文で「捜査の網をかいくぐってきた殺人容疑者が、ようやく捕まった」としているが、今後、起訴されるかどうかの見通しを含め、報道機関の問い合わせには応じていない。

 日本外務省の在サイパン出張駐在官事務所は「日本人男性がサイパン空港で入管当局に拘束されたという情報を旅行会社から得た」としているが、三浦和義元社長かどうかは分からないとしている。同事務所では24日にも担当者がこの男性と面会する予定という。

 ◆逮捕に異議「判決出ている」◆ 

 サイパンの司法当局者は23日、本紙の電話取材に、三浦元社長が空港で逮捕状を執行された際の状況について、落ち着いた様子で協力的だったものの、「日本では無罪判決が出ている」と説明し、逮捕に異議を唱えたことを明らかにした。

 同当局者によると、三浦元社長は22日午後、妻とともにノースウエスト航空でサイパン国際空港に到着。現地司法当局がロサンゼルス市警から「1981年の殺人事件と共謀に絡む人物がサイパンを訪れる」との連絡を受けたため、三浦元社長を空港から連行。司法省が逮捕状を執行し、ススペ警察署に身柄を移して拘置したという。

 三浦元社長は逮捕時、「なぜ逮捕されるのかわからない」とも話したという。

          ◇

 三浦元社長の妻から連絡を受けた弁護士によると、三浦元社長は22日夕、現地の警察当局に逮捕された。一美さん銃撃事件と殴打事件で88年にロサンゼルスの捜査当局が取った逮捕状に基づいて、身柄を拘束されたという。

 接見した妻から弁護士が聞いたところによると、三浦元社長は、近くロサンゼルスに移送される予定。三浦元社長は比較的元気な様子で、「いずれ疑いは晴れる」と語っていたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080223-00000052-yom-soci