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2008年02月22日(金) 20時45分

「3歳の子助けて」チェーンメール、日赤にも電話殺到朝日新聞

 RhマイナスB型の血液不足で3歳の子どもが手術を受けられない、という「チェーンメール」が流れたことで、入院先として名前の挙がった病院だけでなく、献血事業を行っている日本赤十字社にも問い合わせ電話が殺到、22日になってホームページに「輸血用血液は不足していない」と掲示するなど対応に追われた。各医療機関は冷静な対応を呼びかけている。

「チェーンメール」について問い合わせが相次いだため、日本赤十字社は22日、ホームページにお知らせを出した

 入院先とされた昭和大学病院(東京都品川区)は、問い合わせ電話による業務への支障を抑えるため、メールの内容を否定する文をホームページに載せた。

 日本赤十字社にも20日から、北は北海道から西は四国まで全国各地の関係機関に問い合わせが相次いだ。本社では複数の部署で電話が鳴り、「血液がそんなに不足しているのか」という不安の声など、100件以上の電話に対応した。

 担当者は「今回の件がきっかけで、仮に多くの血液が一挙に寄せられても、有効に活用できない」と話す。採血後の有効期間は赤血球製剤で21日間、血小板で4日間だからだ。通常は、血液を必要とする医療機関の状況を分析してから調達するという。

 「22日も午前中から数十件の電話を受けた。このようなメールが流れると、本当に血液が不足した時にオオカミ少年のように不信感をもたれ、集まりにくくなる恐れがある」と担当者。

 同社は沈静化を図るため22日、ホームページに「全国どの地域においても、B型Rhマイナスの輸血用血液は不足しておりません」という文を掲載した。

 骨髄移植推進財団(東京都千代田区)では22日、メール内の「白血病」という文字に気づいた骨髄バンク登録者から、問い合わせが数件あったという。03年にも同様のメールが流れ、このときは問い合わせ先として同財団が書かれたこともあって、対応に忙殺された。担当者は「この種のチェーンメールは後を絶たない。こうしたメールを受け取った場合、冷静に対応して欲しい」と訴える。

 00年には、同様のチェーンメールで名指しされた都内の病院が業務に支障をきたした、という事例もある。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0222/TKY200802220284.html