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2008年02月22日(金) 23時10分

全国養護福祉会、違法募集に業務停止命令 金融庁朝日新聞

 金融庁は22日、公的介護保険でまかないきれない分を補完する共済などを販売していた「全国養護福祉会」(東京都新宿区、会員2万4000人)に対し、新規契約の締結や募集を3月末まで禁じる業務停止命令を出した。昨年末に出した業務改善命令に従わず、今年に入ってからも保険業法に違反して掛け金を集めていたため。業務改善計画の提出を求める業務改善命令も同時に出した。

 全国養護福祉会のような団体は「無認可共済」と呼ばれ、規制法も監督官庁もないまま制度の枠外に置かれていたが、06年の保険業法改正でまず募集方法などに規制の網がかかった。次のハードルは業態の転換で、3月末までに(1)保険業者になる(2)少額短期保険業者になる(3)契約を他社に移し、自らは廃業する——のいずれかを選ばなくてはならない。

 だが、全国養護福祉会は4月以降の方針を今なお決めず、既存・新規の契約者に明確な説明もせずに共済の募集を続けていた。金融庁は「(こうした行為を)放置すれば、保険契約者保護の観点から重大な問題につながる」と判断し、業務停止命令に踏み切った。同福祉会が現状のまま4月以降も募集を続けた場合には「刑事告発の対象にもなる」としている。

 「無認可共済」への業務停止命令は、突然営業を停止して破綻(はたん)した「ベルル生命医療保障共済会」に06年10月に出したのに続き2例目。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0222/TKY200802220308.html