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2008年02月22日(金) 07時07分

市役所が停電、混乱 「マイストーブ」が原因か 奈良朝日新聞

 奈良市役所で今月18日、停電でコンピューター端末が停止し、窓口業務が混乱した問題があり、職員による電気ストーブの大量使用が原因だった可能性のあることが市の調査で分かった。庁舎内暖房は温暖化防止策で低く設定されており、「寒くて仕事にならない」と多くの職員が足元に“マイ電気ストーブ”を持ち込んでいた。市は「本来認めていない」と持ち帰るよう呼びかけている。

部屋の中には、いくつものマイ電気ストーブが……。これが停電の原因?=奈良市役所で

 市によると、停電は18日午前10時20分ごろ発生。2時間半にわたり住民票などが発行できなくなった。庁舎内はコンピューター系統とそれ以外で電源を分けているが、コンピューター系の電気使用量が何らかの原因で増えてブレーカーが落ちていた。管理担当者が見回ったところ、多くの職員が電気ストーブを持ち込み、足元のコンピューター系電源につないでいることが判明。管理職も半ば公認の様子だった。

 庁舎内はエアコンで20度に設定していたが、07年度から19度に。職員の話では、場所によっては暖房が利かず温度差が大きい。50代男性職員は「北側は外から冷気が入り、使わないとどうしようもない」、50代女性職員も「ハイソックスをはき、ひざ掛けをしても寒い。使い捨てカイロでしのいでいる」とこぼす。

 電気ストーブの消費電力は800〜1000ワットぐらいが多く、証明書を発行する解像度が高いプリンター1台の最大消費電力と同程度。1人1台を目指して職員用パソコンの導入を増やしてきた上、停電の日は休日明けで午前中に窓口を訪れる市民も多かった。また、この日は午前10時の市内の気温が2.1度と冷え込み、マイストーブを使う職員が多かったらしい。

 市管財課は18日以降、ストーブの使用禁止を呼びかける一方、庁舎の電気容量を25%上げた。ある職員は「まさかこの電気ストーブが停電につながるとは。寒い日が続くが、使うのはもうやめます」と話した。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0221/OSK200802210091.html