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2008年02月22日(金) 08時28分

おむつ交換台転落、メーカー責任 国民生活センター指摘朝日新聞

 富山県内の商業施設で昨年6月、男児(当時4カ月)が折りたたみ式おむつ交換台から転落して頭の骨が折れる事故があり、事故原因を調べていた独立行政法人国民生活センターは21日、事故が予想されていたにもかかわらず警告表示が不十分だったとの見解を明らかにした。メーカーには事故発生に対する法的責任があると指摘した。

 センターによると、富山県内の主婦が商業施設のトイレ個室で男児を高さ76センチに設置してあったおむつ交換台(長さ70センチ、幅56センチ)の上に寝かせ、安全ベルトを締めた。女性がトイレ使用後、洗面台で手を洗っている間に男児は転落し、頭蓋骨(ずがいこつ)が折れた。

 父親は、交換台のメーカー「コンビウィズ」(東京都)に苦情を伝えたが、同社は「使用の際は子どもから目を離さないことが前提。警告表示もしており、製品自体の安全性に異常は認められない」と回答した。

 父親から相談を受けたセンターは、民法や消費者法の専門家でつくる消費者苦情処理専門委員会で製品の欠陥の有無や同社の責任を検討。「目を離すのは想定内の行為。さほどのコストがかからないなら、さくやくぼみをつけるなどより安全な設計をすべきだった」と設計上の問題点を指摘。

 同社が01年6月〜05年11月、同型製品の事故が4件続いたのを把握しながら、防止措置をとらなかった点について、「民法の不法行為責任が認められる可能性もある」とした。センターが製品事故にからんでメーカーの法律上の責任を指摘したのは初めて。

 同社は「指摘の内容を再度検証し、再発防止に努めたい」としている。同社によると同型製品は94〜04年に全国で2万2000台設置され、昨年8月以降は警告を促す表示シールを配布。現在は台にくぼみをつけるなど設計変更しているという。

 センターによると、おむつ交換台での同様の事故は、同社製以外も含めてこの10年間で18件確認されているという。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/life/update/0222/TKY200802220014.html