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2008年02月21日(木) 11時01分

姉歯被告の実刑確定へ=懲役5年、上告を棄却−耐震強度偽装・最高裁時事通信

 耐震強度偽装事件で、建築基準法違反や議院証言法違反(偽証)などの罪に問われた元一級建築士姉歯秀次被告(50)について、最高裁第1小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は21日までに、上告を棄却する決定をした。懲役5年、罰金180万円の実刑とした一、二審判決が確定する。決定は19日付。
 弁護側は量刑不当を主張し、執行猶予を求めたが、同小法廷は「適切な上告理由に当たらない」と退けた。姉歯被告は確定後、収監される見通し。
 一審東京地裁は2006年12月の判決で「耐震偽装の最大の責任は巧みに構造計算書を改ざんした姉歯被告にあった」として、求刑通りの実刑を言い渡した。東京高裁もこれを支持し、被告の控訴を棄却した。
 構造計算書の改ざんは当時罰金刑しかなく、控訴審で弁護側は「一審判決は建築基準法の刑の軽さを議院証言法違反罪で補っており、許されない」と主張。しかし、高裁は「偽証の量刑は耐震偽装問題を抜きに評価できない」と述べた。
 一連の耐震偽装事件では、詐欺罪に問われた「ヒューザー」元社長小嶋進被告(54)の一審判決が来月25日にある。
 一、二審判決によると、姉歯被告は2003年から05年、マンションとホテル計6棟の耐震強度を偽装。05年12月の衆院証人喚問で、元木村建設東京支店長(47)=有罪確定=の圧力で改ざんを始めたと偽証した。
 03年から04年には無資格で建物を設計した元建築デザイナー(47)=同=に名義を貸した。 

【関連用語】 「証人喚問」
【関連用語】 「議院証言法」
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