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2008年02月21日(木) 22時06分

マータイさんに殺害脅迫文 政権批判が原因か ケニア朝日新聞

 アフリカ女性として初めて04年にノーベル平和賞を受賞し、「モッタイナイ」の合言葉で知られるケニアのワンガリ・マータイさん(67)が20日、同国で続く政情不安に絡み、殺害すると脅されていることを明らかにした。昨年12月に再選されたキバキ政権が暴力を放置していると、批判したのが原因だという。

 マータイさんの発表文によると、脅迫文は19日、本人や支援者の携帯電話にメールで送信された。「いつも政府に反対するから、おれたちはあんたの首をとることにした。もうすぐだぞ」と英文で記した後、スワヒリ語で「チュンガ・マイシャ・ヤコ(命を大事にしな)」と続く。脅迫犯は、ケニア最大の民族キクユの民兵でもあるギャング団「ムンギキ」とみられている。

 マータイさんはキバキ大統領と同じキクユ。02年の国会議員選で与党から立候補して初当選したが、07年末の同選挙では与党公認が出ずに落選。大統領選後の混乱について「殺人や略奪を野放しにしている」と政府を批判した直後の1月下旬、国がつけていた警護官が外された。

 今回の脅迫を受け、マータイさんは「ノーベル賞受賞者としての役割は、最も公平で正しい立場を支持すること。人々が良心に従って考えるよう訴えていく」とコメントしている。 アサヒ・コムトップへ

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