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2008年02月21日(木) 01時08分

新銀行東京、経営規模を大幅縮小 預金残高4分の1に朝日新聞

 東京都が1000億円を出資し、経営難に陥っている新銀行東京は20日、融資残高を4分の1にするなど、大幅に経営規模を縮小する再建案を発表した。都は同日、新銀行東京に400億円を追加出資する議案を都議会に提出したが、再建案でも経営改善への具体的な道筋は示されず、救済のための公的資金注入には、議会から疑問の声が上がっている。

 再建案などによると、昨年9月期決算で約2800億円あった融資残高を11年度までに約700億円に圧縮。預金残高も4284億円から700億円以下に減らす。新規預金の金利引き下げを検討する。

 信金中央金庫の調査によると「預金規模700億円」は、07年3月末現在で全国287信金のうち261番目に相当する規模。津島隆一代表執行役は「スリム化を徹底する」と話した。

 看板商品で、不良債権増加の原因となった無担保無保証融資は見直す。「内部調査で非常識な経営が明らかになってきている」として、旧経営陣の責任を追及する意向も示した。

 新銀行東京は石原知事が2期目の選挙公約に掲げ、05年4月に開業した。追加出資を都議会に求めた石原知事は20日の本会議で「税金を再び投入する重みを踏まえ、引き続き支援したい」と語った。議会後、「今立て直さないと債務超過になったら信用の問題になる」と主張した。関係者によると、新銀行は民間企業との業務提携などを模索したが条件面で折り合わなかったという。

 議会側は税投入の是非を見極める構えだ。新銀行は、開業時に掲げた3年目の単年度黒字を断念し、昨年6月の再建案で掲げた09年度の単年度黒字も頓挫。今回は3度目の計画で、都議会与党からも「実現性があるか疑問」との声が上がる。

 昨年9月中間決算では累積赤字が936億円にのぼり、出資の8割がすでに棄損。都議会公明党は再建可能性を探る調査チームを発足。共産党都議団は「追加出資は知事の責任回避、問題の先送りにほかならない」と指摘している。 アサヒ・コムトップへ

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