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2008年02月21日(木) 11時52分

昨年の児童虐待摘発、過去最多の300件…警察庁読売新聞

 昨年1年間に全国の警察が摘発した児童虐待事件が、統計を取り始めた1999年以降で最も多い300件に上ったことが、警察庁のまとめでわかった。

 実母による虐待が最も多く97件で、実父(91件)、養父(55件)、内縁の父(46件)と続いた。

 一方、虐待によって死亡した児童は前年の59人から22人減少し、37人だった。

 同庁によると、虐待の内容別では、殴るなどの身体的虐待が211件、性的虐待が69件、育児怠慢や拒否が20件。

 今回の統計には含まれないが、出産直後に遺棄するなどしてえい児が死亡した事件も10件あった。

 今年4月からは、児童虐待が疑われる場合に児童相談所に立ち入り調査の権限を与えることなどを盛り込んだ改正児童虐待防止法が施行される。

 一方、昨年1年間に出会い系サイトで児童買春を持ちかける書き込みなどをしたとして、全国の警察が出会い系サイト規制法違反で摘発した件数は、前年比75件増の122件で、過去最多となった。

 このうち、児童の方から出会い系サイトで援助交際を持ちかけ、摘発されたケースは61件(前年比43件増)で、携帯電話さえあれば、軽い気持ちで売春につながる出会い系サイトの根深さが浮き彫りとなった。

 同庁はサイト運営者に対し、18歳未満に関する書き込みの削除義務を課すことなどを盛り込んだ同法改正案を今国会に提出する予定で、「今後も捜査を強化していきたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080221-OYT1T00296.htm