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2008年02月20日(水) 19時53分

民主・鳩山幹事長、石破防衛相の引責辞任求める朝日新聞

 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故を受け、民主党の鳩山由紀夫幹事長は20日の記者会見で、石破防衛相に対し、「大臣をお辞めになるべきだ」と引責辞任を求めた。共産、社民、国民新各党も責任追及の構えを見せており、事故原因の判明など今後の展開によっては、政府・与党内で石破氏の責任問題が焦点となる可能性もある。

 鳩山氏は静岡市での記者会見で、イージス艦の衝突回避に向けた行動が遅かった点などを指摘。「(石破氏は)自らの大きな責任をお感じになって頂かないといけない。その職にとどまることは難しい」と述べ、近く党として引責辞任を求める考えを示した。

 社民党の福島党首もこの日の会見で、(1)自衛艦が人命にかかわる事故を起こした(2)国民への情報開示が遅れた——の2点を挙げ、「重大な結果に対して辞任すべきだ」と求めた。

 1971年に自衛隊のジェット戦闘機と全日空機が空中衝突した雫石(しずくいし)事故や、88年の海上自衛隊の潜水艦「なだしお」と大型釣り船第1富士丸の衝突事故では、いずれも当時の防衛庁長官が引責辞任。こうした点を踏まえ、追及を強める構えだ。

 一方、政府・与党内では、今のところ、石破氏を擁護する声が強い。

 同日昼、福田首相が全閣僚を首相官邸に招いた昼食会。石破氏の責任問題をめぐる町村官房長官の記者会見での発言がテレビニュースで流れると、石破氏は厳しい表情をみせた。町村氏はわざわざ「防衛大臣だけでなく、官房長官も総理も責任はある。今はそういうことを考える段階ではない。ご心配なく」と声をかけたという。

 自民党の山崎拓元幹事長は同日のCS放送「朝日ニュースター」の収録で、「政治責任の中には反省の上で新しい組織、システムをつくっていくことも含まれる」。公明党の北側一雄幹事長も同日の会見で、「まずは原因究明と再発防止に向けた対策をしっかりやることが防衛相の役割、責任だ」と述べ、辞任は必要ないとの考えを示した。

 ただ、事故の状況が次第に明らかになるにつれて、悲観的な見方も出ている。石破氏が所属する自民党津島派の幹部は「3月中旬に予定している派閥パーティーはできるのだろうか。大臣交代となれば、大騒ぎになってしまう」と語った。 アサヒ・コムトップへ

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