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2008年02月20日(水) 20時02分

ネット広告、雑誌抜き第3の広告媒体に 電通調査朝日新聞

 電通が20日発表した07年の国内広告費調査によると、各媒体のうち、インターネット媒体向け広告が前年比24.4%増の6003億円で、雑誌向けを抜いてテレビ、新聞に次ぐ第3の広告媒体に浮上した。同年の総広告費は7兆191億円で、同1.1%増とわずかな伸びにとどまった。

  

 媒体別広告費では、テレビ、新聞、雑誌、ラジオの「4大媒体」の合計は3兆5699億円で、前年比2.6%減。新聞の落ち込みが5.2%と最も大きくテレビも0.9%減った。金融・保険や国内市場が低迷する自動車などが大きく減少した。

 ネット広告は、携帯電話でのネットサービスの拡大などが伸びを後押しする。人材サービスや、消費者金融など4大媒体で落ち込んだ金融分野を取り込んでいる。コミュニティーサイトのミクシィは人材サービス企業の出稿が全体の25%。ヤフーは広告売上高の約16%が金融・保険・証券分野だ。

 またネット広告は単価が安いこともあり、4大媒体に頻繁に出稿できなかった中小企業やベンチャー企業の需要を掘り起こした。

 人材派遣大手テンプスタッフや消費者金融大手アコムは、「ネット広告の利用比率が高まっている」という。サイトでは情報掲載スペースに制限がないため、ネット媒体に広告を出して自社サイトに誘導する方が直接申し込みにつながり費用対効果が高いという。

 4大媒体は、企業イメージを高める役割は依然高いと認識されているが、企業のニーズを取り逃がしている形だ。

 電通は今回調査から、無料雑誌向けの広告費を新たに追加するなど対象を拡大し05年までさかのぼり統計を改訂した。ネット広告も広告制作費を新たに加えたが、従来分との比較でも雑誌を上回った。従来ベースの総広告費は前年比0.2%増6兆101億円だった。 アサヒ・コムトップへ

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