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2008年02月19日(火) 10時00分

石原都知事、奥田前会長に責任転嫁日刊ゲンダイ

「経団連のある重鎮から推輓(すいばん)されて安心していた」
 石原都知事が15日、こんなベラボーで無責任な発言をして周囲を唖然とさせた。
 この日の石原知事は新銀行東京のデタラメ経営について、「旧経営陣によって常識から外れた運営がなされていた」と批判した。その上で、そんな経営陣に任せた責任については、「私たちには審査する能力も知識もない」「日本を代表する経済界の推輓を信用して引き受けざるを得ない」と釈明。都民の税金から出資した1000億円がパーになりそうになっている原因は、旧経営陣の紹介者にあると言い出したのだ。
「この財界人とは、前経団連会長の奥田碩トヨタ自動車取締役相談役のことでしょう。新銀行東京の初代の代表執行役の仁司泰正氏はトヨタ自動車出身です。米国や豪州でのプロジェクトを陣頭指揮した後、豊田工機、トーメン、豊田通商などで取締役を歴任している。その後、04年11月に新銀行東京に引っ張られ、昨年6月に引責辞任しています。彼を石原知事に紹介できるのは、奥田さんしかいませんよ」(財界事情通)
 石原知事と奥田氏はともに75歳。一橋大では奥田氏が1学年上だが、「なり手がいない新銀行のトップのために一肌脱ぎ、グループから人材を供出した」(金融ジャーナリスト)とみられている。それなのに「ヤツが悪い」と犯人扱いされたわけだ。
「とんでもない言いがかりです。そもそも新銀行の発案者は石原知事です。『中小企業を救う』と大見えを切り、赤字でも技術力があれば貸すビジネスモデルでスタートした。この発想が間違いだったのです。“仲人”は関係ありません」(証券アナリスト)
 たまには頭を下げたらどうか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080219-00000003-gen-ent