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2008年02月18日(月) 21時58分

「吉田松陰」商標独占許さん 萩市が特許庁に異議東京新聞

 吉田松陰ら幕末の志士の名が無関係の会社に商標登録されたのは郷土の感情を損ねるとして、山口県萩市は18日までに、登録取り消しを求め、特許庁に異議を申し立てた。

 萩市によると、松陰に高杉晋作と桂小五郎を加えた3つで、2005年6月に宮城県の食品製造会社が食品や酒類の分野で出願。同社が破産し、出願人の名義を受け継いだ東京の流通コンサルティング「東広」が昨年11月に商標登録した。

 申し立ての理由で萩市は「歴史上の人物名に独占排他的な権利を認めるのは、名声に便乗した商標権による利益取得が目的」と指摘。「郷土の人々や国民の社会的感情を損ね、公序良俗を害する」と説明している。

 萩市によると、現在これらの商標を使った商品は確認していないという。

 また、萩市は20日の山口県市長会議で、特許庁に歴史上の人物の商標登録制度見直しを求める議案を提出する。

 特許庁のホームページによると、東広はほかに上杉謙信、黒田官兵衛、真田幸村らも商標登録。「申し立てを確認して検討する」としている。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008021801000784.html