記事登録
2008年02月18日(月) 23時18分

維新の志士3人を商標登録 萩市が特許庁に異議申し立て朝日新聞

 吉田松陰、高杉晋作、桂小五郎は商標なのか——。山口県萩市出身の維新の志士3人の名前が、東京の会社に食品や酒類など幅広い分野で商標登録されていることが分かり、萩市は18日、「先達を敬愛する郷土の人の感情を害する」などとして、特許庁に取り消しを求める異議申し立てをしたと発表した。

 萩市によると、昨年11月16日に東京都渋谷区の会社が申請した商標が登録され、12月18日に公報された。

 公報や市の説明によると、同社は、乳製品、肉、野菜など24種類の商品に吉田松陰と桂小五郎と名付けられるよう登録。高杉晋作については、この24種類に加えてビールや日本酒など11種類で使用できるようになっている。

 今回の商標登録により、萩市では3人の名前がついた観光みやげ品などは製造できず、使う場合は同社に使用料を支払うことになるという。

 市は「3人の名声に便乗した商標権による利益取得が目的といわざるを得ない。歴史上の著名な人物は独占排他的権利は認めるべきでない」と主張。2月15日付で特許庁に異議申立書を郵送した。市は、今回の志士3人の申請について同庁が「公序良俗に反する」としていったん認めない結論を出しながら、不服審判請求を経て認めたと説明している。

 今後は、歴史上の著名な人物の商標登録制度があいまいであるとして、山口県市長会などに呼びかけ、法律の見直しを求めていく。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0218/SEB200802180005.html