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2008年02月17日(日) 07時31分

足立の無理心中、借地権売却に地主反対 ナタ直前に購入朝日新聞

 東京都足立区の機械修理・販売業佐々木亨さん(52)の一家4人が死傷した無理心中事件で、佐々木さんが事件直前に不動産会社と結んだ土地の借地権を売る契約について、地主から異議を唱えられていたことが警視庁の調べでわかった。同庁は、地主の反対で借地権売却が頓挫すると思い込み、将来を悲観して事件を引き起こした可能性があるとみて調べている。

 調べでは、佐々木さんは今月5日、自宅と倉庫の土地の借地権を約4800万円で都内の不動産会社に売る契約をし、手付金約400万円を受け取った。しかし、契約について同社が倉庫の土地の地主に連絡した後、地主は佐々木さんに承服できない旨を伝えてきたという。

 佐々木さんは事件当日の11日、日本テレビとテレビ朝日に「欲に目が眩(くら)んだ自分の責任。全部無くしてしまいました」などと記した手紙と、借地権売買に関する書類を発送していた。この手紙などが宅配便業者に持ち込まれたのは、佐々木さん方から血が流れ出ているのが発見される1時間弱前の同日午後2時45分ごろだった。

 また、使われたナタは事件数日前に佐々木さんが購入。佐々木さんには約2000万円の預貯金があったが、事件前に通帳と印鑑を都内の親類に送っていた。こうした状況から警視庁は、覚悟を決めたうえで計画的に事件に及んだとみている。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0217/TKY200802160236.html