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2008年02月16日(土) 11時18分

<米銃乱射>発砲、自殺の男はイリノイ大の元大学院生毎日新聞

 【デカルブ(米イリノイ州)和田浩明】米イリノイ州デカルブのノーザン・イリノイ大で起きた銃乱射事件で、大学警察は15日、発砲した男(事件後自殺)は昨年春まで同大の大学院生だったスティーブン・カズミルチェック容疑者(27)と発表した。調べでは、同容疑者は薬物治療中(病名は非公表)だったが、事件の2週間前に服用を止め、「行動が不安定」になっていたという。犯行の動機は不明で、被害者と関係があったか捜査している。また、射殺された5人はいずれも同大の学生で19〜32歳だった。

 大学警察によると、犯行にはショットガン1丁と拳銃3丁が使用され、うち2丁はカズミルチェック容疑者が州内の銃砲店で今月9日に合法的に入手していた。イリノイ州では精神病で入院歴がある場合に銃器は購入できない。州警察によると同容疑者にはそうした履歴はなかった。

 一方、昨年4月のバージニア工科大銃乱射事件(32人射殺)で使われたインターネット銃砲店は、同容疑者が拳銃用の弾倉2個とホルスターを購入したと発表した。

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 ノーザン・イリノイ大では15日、キャンパスの各所に犠牲者を悼む十字架など手作りの記念碑が設置され、学生らが祈りを捧げた。事件当時、講義を受けていたジョージ・グレイナーさん(23)は「教室前部の右側のドアから男が突然入ってきて、100人ほどいた学生が集中していた中央部に向けショットガンをいきなり発射した。男は全くの無表情だった」と証言した。

 大学警察のドナルド・グレイディ署長によると、カズミルチェック容疑者は社会学専攻で、在学時は「教授らの評価も高く、こんな行為を犯す兆候は全くなかった」という。

 事件後、講義は休止となり、約2万5000人の学生の多くは一時帰宅している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080216-00000033-mai-int