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2008年02月16日(土) 12時06分

連合傘下「プリンス使わず」、日教組集会の拒否で要請へ読売新聞

 日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会(教研集会)の全体集会が会場の使用を拒否されて中止になった問題で、連合(組合員数約675万人)は、使用契約を一方的に解除した「グランドプリンスホテル新高輪」(東京都港区)を経営する「プリンスホテル」(豊島区)系列のホテルについて、当分の間、使用しないよう傘下の労働組合に要請することを明らかにした。

 すでに予約していた3月の春闘勉強会1件と、鉄鋼などの労働組合でつくる産業別労組「基幹労連」が予定していた9月のイベントをキャンセルする。

 同ホテルの使用を巡っては、東京高裁が先月30日、日教組に会場を使用させるべきだとする司法判断を示したが、同ホテルは、右翼団体の街宣活動などを理由に使用を拒否。このため今月2日の教研集会の全体集会は、1951年の第1回以来初めて開催できなくなった。

 連合によると、この際、教研集会会場の全体集会として予約していた宴会場だけでなく、参加する全国の教師などが宿泊予約をしていた約190室についても、同ホテルから使用を拒否されたという。連合は今後、プリンスホテルに抗議文を送り、ホテル・旅館の業界団体にも見解を求める。

 古賀伸明事務局長は、今回の要請について、「異例の対応だが、言論、集会の自由を尊重しないばかりか、司法の判断にも従わない姿勢は看過できない」と説明、「企業としてのコンプライアンスが改善されるまでは続ける」としている。

 プリンスホテルは2月5日付で同社のホームページ上に、「教研集会を開催すれば、警察当局の特殊な警備の影響で、宿泊客や近隣で行われる大学入試に多大な影響を与えかねなかった」「集会の自由は国家・公的機関との関係で保障されたもので、民間に会場提供を強制するものではない」などとする見解を公表している。

 プリンスホテル総合企画部は「ほかのお客さまの安全、安心を考慮して使用をお断りしたということを、連合に理解してもらえるように努めていきたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080216-OYT1T00333.htm