記事登録
2008年02月16日(土) 10時00分

独立コソボは「世俗国家」、信教の自由を保障…憲法草案読売新聞

 【プリシュティナ=石黒穣】セルビア南部コソボ自治州が独立宣言を準備している問題で、宣言後に採択を目指す憲法草案の内容が15日、明らかになった。

 国名を「コソボ共和国」とし、国の性格を「世俗国家」と定義。少数民族となるセルビア人の保護に力を入れることも盛り込んでいる。

 草案は、大統領が指名した委員会が、欧米と調整しながら策定してきた。宣言後、公開手続きを経て早期に採択されるとみられる。

 本紙が入手した草案は、「信条、良心、宗教の自由を保障する」と信教の自由をうたい、「すべての宗派の自主的な活動を保障し、保護する」と明記。公用語を「アルバニア語とセルビア語」とした。

 これらの規定は、人口の約9割を占め、イスラム教徒の多いアルバニア系住民の中で、正教を信仰するセルビア人の地位と権利を保障することが主眼だ。民族、宗教を背景にした差別や暴力の被害をなくすため、「あらゆる措置をとる」ことも規定した。

 草案はまた、コソボが「どの国とも統合しない」ことも明記し、将来的に隣国アルバニアとの統合の動きが出てくることを懸念する周辺各国にも配慮した。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080216-OYT1T00221.htm