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2008年02月16日(土) 21時27分

<東芝>HD撤退へ ブルーレイ支持広がり、継続困難に毎日新聞

 高画質のハイビジョン映像を長時間録画できる新世代DVD対応機の規格争いで、東芝は16日、「HD−DVD」(HD)方式から撤退する方向で最終調整に入った。ライバルの「ブルーレイ・ディスク」(BD)方式に販売シェアで大きく引き離され、ソフトを供給する米映画会社も相次いでBD方式への支持を表明。HDの劣勢は鮮明となり、事業継続は困難と判断した。【赤間清広】

 東芝が離脱すると互換性のない両方式の規格争いはBD勝利で決着、規格は統一される見通しだ。

 東芝首脳は同日夜、「いろいろなシナリオを想定して検討している。来週中には決める」と語った。

 新世代DVDを巡っては、東芝が推進するHDと、ソニーや松下電器産業、日立製作所が推進するBDが激しい主導権争いを展開してきた。だが、新世代DVDの販売が本格化した昨年の年末商戦で、日本ではBD方式の対応機が90%超のシェアを占め、HDを圧倒した。

 また、市場動向を左右する映画ソフトの品ぞろえでも、ワーナーブラザースがBDに一本化すると発表するなど映画界でBD支持の動きが広がった。15日には、小売り世界最大手ウォルマート・ストアーズもBD方式支持を表明。HD陣営は巻き返しが困難な状態に追い込まれた。東芝はワーナーがBD支持を表明した直後、欧米で相次ぎHD再生機の値下げを発表して巻き返しを図ったが、劣勢を挽回(ばんかい)することはできなかった。

 東芝は当面、店頭販売は継続するが、生産は停止し、在庫がなくなり次第、販売も取りやめるとみられる。

 国内大手メーカーを二分した新世代DVDを巡る規格争いは、VHS方式とベータ方式に分かれて争ったかつての「ビデオ戦争」の再現といわれたが、今回は当時ベータを推して敗れたソニーがBDで雪辱した格好だ。

 ◆新世代DVDの支持状況◆

<ブルーレイ>

主なメーカー ソニー

       松下電器産業

       シャープ

映画会社   ワーナーブラザース

       ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

       ウォルト・ディズニー

       20世紀フォックス

小売店など  ベストバイ(米家電小売り大手)

       ネットフリックス(米DVDレンタル大手)

       ウォルマート・ストアーズ(小売り世界最大手)

<HD−DVD>

主なメーカー 東芝

       マイクロソフト

映画会社   ユニバーサル・ピクチャーズ

       パラマウント・ピクチャーズ

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