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2008年02月16日(土) 20時30分

元親方、否認のまま=逮捕から1週間余、供述対立−力士傷害致死事件・愛知県警時事通信

 大相撲時津風部屋の序ノ口力士斉藤俊さん=当時(17)=傷害致死事件で、元時津風親方山本順一容疑者(57)と兄弟子3人が愛知県警に逮捕されてから一週間余。兄弟子らが「手を出さなければよかった」などと後悔の念をあらわにする一方で、山本容疑者はビール瓶で殴ったこと以外は認めず、「自分は知らない」などと容疑を否認し続けている。兄弟子らを気遣う様子も見せない姿に、関係者からは「本当に親方だったのか」と疑問の声も上がっている。
 「教えてやれ」。斉藤さんへの暴行は死亡前夜、山本容疑者の兄弟子らへの指示で激化したとされる。兄弟子らは木の棒などで殴打した上、顔面をけり上げるなどして暴行。同容疑者の指示で土俵近くの柱にも縛り付けた。
 死亡当日もけいこ終了後、山本容疑者の指示で斉藤さんを標的とした「ぶつかりげいこ」が始まったという。暴行を加える兄弟子らとともに、自らも木の棒で殴っていた。
 しかし、山本容疑者は調べに対し、前夜の指示は「『指導してやれ』という意味だった。兄弟子らが勝手に暴行した」と供述。「ぶつかりけいこ」も通常のけいことの弁明を続けている。
 「暴行しろという意味だと思った」とする兄弟子らの供述とは対立したまま。死亡当日の「けいこ」も、目撃した男性が「斉藤さんは『ギャー』と悲鳴を上げていた。あれはけいこじゃない」と証言するほど、現場の状況はひどかったとされるが、主張を崩す様子はないという。 

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