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2008年02月16日(土) 10時52分

模範学生の犯行に衝撃 米大学の乱射事件朝日新聞

 米イリノイ州のノーザン・イリノイ大学で14日起きた銃乱射事件で、犯行後に自殺した元同大学生スティーブン・カズミアチャク容疑者(27)は、刑務所制度など司法社会に強い関心を持つ模範的な秀才だった。日頃の人格とかけ離れた犯行に関係者は強い衝撃を受けており、改めて動機のなぞが深まっている。

 警察によると、同容疑者は銃所持許可証の保有者で、犯行時は散弾銃1丁と短銃3丁を持っていた。散弾銃はギターのケースに隠し入れ、短銃3丁はコートの中に持って犯行現場の講堂に侵入、散弾6発、短銃48発を発射したという。

 同容疑者はこの大学で地質学を専攻して06年に学士号を取得。そのまま修士課程に進み、07年春学期まで在籍した。一時は近郊の刑務所で何らかの仕事もしていたらしい。

 ノーザン・イリノイ大学では修士課程に進む論文が学部長表彰を受けるなど「傑出した成績」(大学当局)を残した。司法制度の啓発活動に取り組む同好会の副代表も務め、受刑者の更生や、政治的暴力などをテーマにした研究に強い関心を見せていたという。

 非行歴は一切ない。イリノイ大学で指導役だったラリソン准教授は「とても感じのよい学生だった。今回の犯人像とは、とても合致しない」とCNNに驚きを語った。

 警察によると、同容疑者は最近まで何らかの薬品を常用していたが、数週間前にやめて以来、情緒不安定だったとの情報があると明らかにした。だが、その因果関係は不明で、犯行の動機をうかがわせる書き置きなどは見つかっていない。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/international/update/0216/TKY200802160070.html