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2008年02月16日(土) 02時15分

ギョーザ中毒「私たちこそ被害者」 天洋食品、報道陣に工場公開東京新聞

 【石家荘(中国河北省)=平岩勇司】中国製ギョーザ中毒事件で、製造元「天洋食品」の底夢路工場長は15日、河北省輸出入検査検疫局などと合同で記者会見を開き、有機リン系農薬「メタミドホス」などの混入は「工場ではあり得ない」とした上で、「私たちこそ最大の被害者だ」と強調した。報道陣には工場内部を公開し、厳格な管理をアピールした。

 底工場長は、日本政府調査団や双日食料などの調査でも製造過程に問題がなかったと指摘。「間違いなく混入はないと言える」と声を張り上げた。工場は事件発覚後から生産を停止、再開のめども立たず、「経済的損失だけでなく、会社の名誉も傷つけられた」と訴えた。労働条件が悪く、従業員を大量解雇したとの報道も「労働者の権利を侵害したことはなく、福利待遇は平均を上回っている」と否定した。

 工場の公開では報道陣に作業服を着せ、手の消毒を求めた後、肉や野菜のカット、混合、蒸し、凍結などの製造工程を説明。農薬混入の可能性が指摘される包装過程では、担当者が「25人が横に並び、流れ作業でギョーザを包装している。従業員同士の目もあり、異物を持ち込むことはできない」と断言し、事件の原因について「どこで混入されたか、私たちも不思議だ」と話した。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008021690021237.html