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2008年02月16日(土) 10時21分

軽食入りカートをトイレに 釜山発日航機中国新聞

 日航の釜山発成田行き958便ボーイング767(乗客乗員二百八十人)が今月六日、乗客に出す軽食の弁当が入ったカート一台をギャレー(調理室)に収納できず、トイレに押し込んだまま離着陸していたことが十六日、分かった。

 離陸後、トイレから出してそのまま乗客に軽食を出して、着陸時に再びトイレに入れたという。客室乗務員が機長に報告したのは成田到着後だった。

 日航では二○○五年、ジャカルタ便でカート二台の収納が間に合わず、客室乗務員が手で押さえたまま成田空港に着陸し、国土交通省が厳重注意している。日航と国交省は「安全上問題なかった」としているが、国交省は「離陸前に機長に報告すべきで、コミュニケーションに問題がある」として、日航に調査を指示した。

 また日航は「機内食は封がしてあったとはいえ、配慮が足りなかった。お客さまに申し訳ない」としている。

 日航によると、958便は機体前方の入り口近くに乗客が新聞を取りやすいようにカート二台を並べ上に置いていた。

 滑走路に向かう誘導路走行中に客室乗務員が後方のギャレーに移動したが収納スペースがいっぱいで、危険防止のため軽食が入ったカートが離陸中に動かないようトイレに押し込んだ。

 釜山で降ろすはずだった前の便のカートを一台降ろし忘れたため収納スペースが足りなくなったという。958便は午後二時半ごろ、釜山を出発、午後四時二十五分ごろ成田に到着した。

 カートをめぐってはスカイマーク機でも昨年十一月、羽田空港に着陸時にカート二台が収納場所から飛び出し、うち一台が通路を走って乗客二人が足を骨折するなどのけがをする事故が起きている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802160217.html