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2008年02月16日(土) 03時07分

検出メタミドホス、日本品にない不純物 科警研が鑑定朝日新聞

 中国製の冷凍ギョーザによる中毒事件で、千葉・兵庫両県警の共同捜査本部が押収・収集した商品から検出された有機リン系農薬成分「メタミドホス」には、不純物や副生産物などが混じっており、日本国内で試薬として流通している純度の高いメタミドホスとは異なることが警察当局の詳細な鑑定でわかった。中国の工場内で密封された包装の内側から検出されていることなどと合わせ、メタミドホスは中国国内で混入した疑いが一段と強まったと警察当局はみている。

 中毒を起こしたギョーザは、昨年10月1日製の「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」と同20日製の「CO・OP 手作り餃子」で、いずれも中国・河北省の「天洋食品」で製造された。

 共同捜査本部は、中毒を起こした商品や同じ日に同じ工場で製造された商品を集めて鑑定。警察庁科学警察研究所でも鑑定を進めてきた。

 通常、薬物は原材料や製造方法などの違いで不純物や副生産物の種類や割合が異なる。メタミドホスは、中国国内では昨年1月に使用が禁止されたものの、それまでは殺虫剤として幅広く流通していた。一方、日本国内では農薬としての使用は認められておらず、流通している試薬は純度が極めて高いのが特徴だ。

 警察当局は鑑定結果から、日本国内にある試薬が混入した可能性は極めて低い、と判断した。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0215/TKY200802150367.html