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2008年02月15日(金) 21時15分

「我々こそ最大の被害者」天洋食品工場長が疑惑を再否定読売新聞

 【石家荘(中国河北省)=牧野田亨】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、河北省石家荘市のギョーザ製造元「天洋食品」の底夢路・工場長は15日、同市内で記者会見し、工場内で殺虫剤が混入された可能性を改めて否定した上で、「巨額の損失を受けるなど、我々こそ最大の被害者」と述べ、原因が解明され次第、早期に生産を再開する意向を示した。

 会見には、事件を調査している河北省輸出入検査検疫局の程方局長も同席。底工場長は「工場で農薬を使ったことはない」と明言し、同検疫局などの調査でも、製造・輸出過程で何ら問題が見つかっていないことを強調した。

 さらに「従業員の待遇は同業種の平均より高い。社内の雰囲気もよく、この数年、労働争議はなかった」と主張。「我々は対日輸出で成長した企業。日本との友好的な協力関係を壊し、企業の発展に影響を与えるような動機は(従業員に)存在しない。更衣など管理も徹底し、毒物は持ち込めない」と述べた。

 その上で、「経済面と企業の名声で大きな損害を受けた。早期に原因が解明され、生産が再開できることを望む。待機中の約800人の従業員もそう願っている」と訴えた。

 会見後、天洋食品は報道陣を工場内に入れ、ギョーザの具作り、皮での包み、蒸し、冷凍、包装までの全工程の作業場を公開した。だが、案内のため通路に立つ従業員以外に人気はなく、がらんとした作業場に、金属製のテーブルや機器が置かれているだけ。冷凍保管庫には、回収された商品が積み上げられていた。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080215-OYT1T00550.htm