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2008年02月15日(金) 19時13分

南極入りの登山家2人、事前届けなし 環境省厳重注意へ朝日新聞

 1月にスキーで南極点に到達した登山家の続素美代さん(東京都)と、南極最高峰のビンソンマシフ(4897メートル)に登頂し、7大陸最高峰を制した石川富康さん(愛知県)が、南極環境保護法に基づく事前の届け出をしていなかったことが15日、わかった。環境省は近く2人から詳しい事情を聴いた上で、厳重注意する方針。

 同法は98年、環境保護に関する南極条約議定書が発効したのを受けて施行。南極地域に入る際には、事前に環境相から活動計画の確認を受けるか、海外で許可を受けた場合でも事前に環境相に届けるよう定めている。

 国内の旅行会社では手続きを代行する場合が多いが、同省によると、2人は海外の会社を利用。「届け出る必要があるのを知らなかった。申し訳ない」と話しているという。

 環境省によると、南極への日本人旅行客は年に六百数十人で、届け出違反も毎年1件ほどある。これまで、悪意などなく反省の意向が示されているとして、罰則(50万円以下の罰金)を科されたことはない。

 鴨下環境相は閣議後の記者会見で「自然に関心のある方々なので、埋め合わせと言ったら何だが、より南極の環境を守ることに積極的にかかわっていただきたい。周知不足との指摘もその通りだと思うので、許可が必要だと国民にアピールしたい」と話した。

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 石川さんは「(届け出は)全く知らなかった。それでは通らず、申し訳なかった。登山以前の問題で、勉強不足だった。環境省に説明する。南極は環境を守るために規制が必要な地域だと思う。活動の許可や届け出が必要なことを広めたい」と話している。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0215/TKY200802150303.html