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2008年02月15日(金) 10時44分

ホテル火災、150人避難 都心、スプリンクラーなし朝日新聞

 15日午前1時35分ごろ、東京都港区芝公園1丁目の芝パークホテル本館5階から出火、同階の通路にある製氷機付近や床など約25平方メートルが焼けた。警視庁や東京消防庁によると、出火当時、本館と別館に計455人が宿泊。このうち本館の約150人全員が避難した。火元の5階には23室に23人が宿泊中だったといい、逃げ遅れた7人をはしご車などで救出、4人を病院に搬送した。このうち宿泊客の男性(59)が一酸化炭素中毒になったが、意識はあり、命に別条はないという。3人は煙を吸って、のどに軽いやけどを負うなどした。

火災があった芝パークホテル=15日午前2時22分、東京都港区芝公園1丁目で

 避難した客がホテルの周囲にあふれるなど、現場周辺は一時、騒然となった。

 同ホテルによると、本館(地上9階、地下1階)と別館(地上12階、地下1階)の2棟がある。延べ面積は2万1200平方メートル、客室数は382室。

 ホテルには煙感知器などの防火設備はあったが、スプリンクラーはなかった。本館は1961年に消防法がスプリンクラーの設置を義務づける前の60年に建てられ、その後も建物の構造上、特例で免除されていた。

 警視庁によると、本館5階の廊下に設置されている製氷機下に置いてあった木製の容器とバケツのような容器、そのすぐ脇の自動販売機付近の燃え方が激しかった。容器は、製氷機からこぼれた氷を受けるために置いてあったという。同庁などで出火原因を調べている。

 消防庁によると午前1時半すぎ、火災報知機が作動したことから、ホテルの男性従業員(25)が5階部分を確認したところ、すでに廊下部分に煙が充満しており、119番通報した。

 出火直後、11人の従業員が手分けをして、各フロアの客室をノックするなどして回りながら避難誘導した。

 隣接する別館1階ロビーは、浴衣姿などで避難した宿泊客であふれかえり、ソファでぐったりする人や、家族に無事を知らせる電話をかける人の姿が見られた。

 現場は高層ビルなどが立ち並ぶビジネス街。ホテルのすぐ南に港区役所がある。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0215/TKY200802150001.html