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2008年02月15日(金) 06時55分

暴力団抗争事件、昨年の死者8人 関与の発砲事件42件朝日新聞

 07年に暴力団同士の抗争事件が3件発生し、巻き添えになった市民1人を含む8人が死亡したことが14日、警察庁のまとめで分かった。山口組系幹部による長崎市長射殺など、暴力団が関与したとみられる発砲事件も前年比6件増の42件起こり、死者は同11人増の13人にのぼった。同庁は「暴力団の銃が市民にとって一層の脅威となっている」と分析している。

 暴力団の対立抗争は06年には起こらなかったが、最大勢力の山口組が東京に本格進出したことをきっかけに昨年2月、住吉会との間で対立抗争に発展。また九州では道仁会と、同会から分裂した九州誠道会の対立抗争で発砲事件などが頻発。同11月に佐賀県内の病院内で、入院中の男性(当時34)が暴力団関係者と間違われて射殺された。

 一方、昨年摘発された暴力団組員らは前年比1251人減の2万7166人で、2年連続で減少。刑法犯が同1395人減の1万6621人、銃器や薬物の所持など特別法犯が同144人増の1万545人だった。

 暴力団の勢力は昨年末現在で約8万4200人(前年比約500人減)。暴力団の周辺者や関係者と呼ばれる「準構成員」は約4万3300人で、前年に続き、約4万900人の正規の組員数を超えた。警察の摘発を免れて資金獲得活動をするため、暴力団と一定の距離を保つ傾向があるためとみられる。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0215/TKY200802150004.html