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2008年02月15日(金) 21時28分

無線ICタグで「タダコピー」防げ 実証実験に成功朝日新聞

 ゼンリン(北九州市)、日立製作所、リコーなどの共同研究グループは15日、無線ICタグで本などの違法な複写を防ぐシステムの実証実験に成功したと発表した。本や雑誌にICタグを埋め込み、コピー機が情報を読み取って1枚ごとに料金を記録、課金できるようにした。社内での違法複写を野放しにすると、企業の法令順守の姿勢が問われかねないため、一定の需要が見込めそうだ。

実験に使った不正防止用コピー機。専用の装置が無線ICタグを読み取る=日立製作所本社で

 実験は三井住友銀行北九州支店(北九州市)などで実施。ゼンリンの住宅地図帳の背表紙に識別情報を入れた0.4ミリ角のICタグを埋め込んだ。コピー機には読み取り装置を付け、どの地図帳を何回複写したかを記録できるようにした。

 住宅地図帳は取引先への訪問などに重宝するが、著作権料を払わずに無断で複写されることが多く、ゼンリンは「著作権保護に効果が期待できる」としている。

 同社などは、コピー機メーカーや出版社など関連する企業で団体をつくり、数年での実用化をめざす。量産できればタグは1個5円程度、読み取り機などは一式10万円程度になるという。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/business/update/0215/SEB200802150005.html