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2008年02月15日(金) 21時37分

姉歯被告らを10億円賠償提訴 「GS東向島」住民朝日新聞

 元1級建築士の姉歯秀次被告(50)による耐震強度偽装事件で、構造計算書の偽装のあった東京都墨田区の「グランドステージ(GS)東向島」(36戸)の住民52人が15日、姉歯被告と墨田区などを相手取り、総額約10億5000万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

 住民側は、姉歯被告は故意に構造計算書を偽造した責任があるとして、建築確認の権限を持つ墨田区は民間検査機関の不法行為責任を負う、などとして訴えた。実際に建築確認した民間検査機関イーホームズについては「廃業しているため債権回収は困難」などとして訴訟対象にしなかった。

 請求額は建て替えなどによる負担に、慰謝料や仮住まいの費用などを加算したという。原告の一人、会社員田中拓さん(34)は「安全で安心なマンションということで購入したのに偽りだった。それにかかわった人は責任を取ってもらいたい」と話した。

 これに対し、墨田区は「対応は訴状を見てから検討したい」としている。

 GS東向島の住民は06年初めまでに退去。36世帯のうち32世帯が現在建設中の再建マンションに移る予定だという。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0215/TKY200802150336.html