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2008年02月14日(木) 16時24分

消費税2億円不正還付 神戸地検、5人逮捕 輸出免税制度を悪用産経新聞

 海外取引では消費税が免除される「輸出免税制度」を悪用し、ダイヤモンドを輸出したと装って不正に消費税計約2億1000万円の還付を受けたとして、神戸地検特別刑事部は14日、消費税法違反などの疑いで真珠・宝石販売「エムケイ貿易」社長、黒田光彦容疑者(53)=神戸市北区=ら5人を逮捕。大阪国税局と合同で関係先12カ所を家宅捜索した。いずれも大筋で容疑を認めているという。

 ほかに逮捕されたのは、元洋品販売業、森二郎(50)=同市兵庫区▽宝石販売業、廷々(てて)彰夫(53)=同市中央区▽同、川村勝美(55)=同市北区▽同、藤丸正仁(53)=同市垂水区−の各容疑者。

 消費税は、売り上げにかかる税額と仕入れにかかった税額の差額を納税するが、海外取引には課税されない。このため、輸出業者は仕入れ時にすでに支払った税額を申告することで、還付を受けることができる。

 調べなどによると、5人は共謀してこの制度を悪用。黒田、森、廷々の3容疑者がダイヤモンドを国内で仕入れ、香港などに輸出したとする架空の取引をつくりだし、虚偽の還付申告書を税務署に提出。平成16年1月〜19年6月に総額2億1400万円の消費税の還付を不正に受けた疑い。

 黒田容疑者は、自ら不正還付を行うとともに各容疑者に手口を指南。実際に不正還付を受けていた森、廷々両容疑者から還付額の6割程度を「指南料」などとして受け取り、川村、藤丸両容疑者に対しては、架空の国内仕入れに必要な領収書や請求書の偽造を依頼して報酬を渡していたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080214-00000112-san-soci