記事登録
2008年02月14日(木) 10時46分

<ネット自殺予告>63人を説得、思いとどまらす 警察庁 毎日新聞

 インターネットでの自殺予告について、昨年1年間に全国の警察が接続業者から発信者情報の提供を受けるなどして、本人や家族を説得して自殺を思いとどまらせた人が63人に上ることが警察庁のまとめで分かった。自殺予告の書き込みをした女性宅に警察官が駆けつけたところ、すでに首つり自殺を図っていたため、病院に運んで一命を取りとめたケースなど救護されて助かった人が9人いた。

 同庁によると、警察は昨年、自殺予告の書き込みを見た人などからの通報で計121人の予告情報を把握した。警察の対応の内訳では説得、救護が72人▽いたずらなど自殺の恐れがないことが判明33人▽家出などで本人に接触できなかったのが16人だった。

 インターネットの掲示板に「一緒に自殺をしませんか」と書き込みをした男女を割り出し、警察官が自殺の待ち合わせ場所に急行。練炭自殺をしようと車に七輪を入れ、窓にテープで目張りをして準備をしているのを見つけ、思いとどまるよう説得したケースもあった。

 インターネット上の自殺予告については、05年10月に接続業者などの団体が自殺予告など緊急性の高い場合は発信者の名前や住所を警察の求めに応じて開示するとしたガイドラインを策定。通報を受けた警察が業者に照会して、発信者を割り出している。

 同庁は「照会に対し、回答に時間のかかる接続業者がある。緊急性を要することなので対応の改善を働きかけたい」と話している。【遠山和彦】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080214-00000025-mai-soci