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2008年02月13日(水) 08時02分

元市課長ら禁固求刑 プール事故「業者に管理丸投げ」産経新聞

 埼玉県ふじみ野市の市営プールで平成18年7月、同県所沢市立小2年、戸丸瑛梨香ちゃん=当時(7)=が流水プールの吸水口に吸い込まれ死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われた当時のふじみ野市教委体育課長、高見輝雄(60)と、同課係長、河原孝史(47)の両被告の論告求刑公判が12日、さいたま地裁(伝田喜久裁判長)で開かれた。

 検察側は「プールの維持管理に必要な文書をまったく読まず、業者に管理を丸投げするなど、無責任極まりない職務放棄で、管理者としての基本的な注意義務を怠った2人の過失が事故の核心」として、高見被告に禁固1年6月、河原被告に同1年を求刑した。

 論告の前に瑛梨香ちゃんの両親が意見陳述、「前例踏襲で業者に管理を任せ、責任感のかけらもない。瑛梨香は管理放棄という凶器で殺された。プール管理は人命にかかわる仕事という認識を持ってほしい」と訴えた。

 論告によると、高見被告らは吸水口の危険性などを十分理解せず、ふたの固定状況や業者への点検の指示を怠ったままプールを開業。18年7月31日、ふたが外れた吸水口に瑛梨香ちゃんが吸い込まれ、死亡させた。

 次回公判は3月25日に開かれ、弁護側の最終弁論が行われ、結審する予定。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000076-san-soci