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2008年02月13日(水) 12時20分

ナンパ後の集団暴行 主張は真っ向から対立産経新聞

 1月23日と2月7日、東京地裁で集団強姦罪に問われた男性被告(20)=犯行時少年=の裁判を傍聴した。

 起訴状などによると、被告ら3人は昨年9月、東京都足立区のコンビニで女性に声をかけ、居酒屋に誘った。その後、車で自宅に送り、アパートのカギを奪って部屋にあがり込み、共犯者の元被告(20)が女性を押さえつけ、被告が暴行した。

 共犯者の元被告には1月17日に懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役4年)の有罪判決が言い渡され、確定した。

 1月23日には、元被告と被害者の女性が証言した。元被告の証言の際には、被告との間についたてが設けられた。被害者は別の部屋から音声と映像を送るビデオリンク方式で証言。傍聴席からは音声だけが聞こえた。

 被害者の証言によると、被告らは1度暴行した後、被害者の部屋から出ていった。被害者はこのまま全員を逃したら事件の証拠がなくなると思い、マンションの外の駐車場に留まっていた元被告を引き止めて、警察に行くように説得した。元被告は「わかった」と言いながら、被告に電話した。

 検察官「被告は戻ってきて、何と言いましたか?」
 被害者「『お前殺すよ。コンクリ詰めにするから』と脅されました」

 その後、被害者は被告から再び暴行された。

 2月7日には、もう1人の共犯の男の証人尋問と被告人質問が行われた。被告の供述だけが、他の3人と異なった。

 裁判官「『やらせてって言えばやらせてあげたのに』と被害者が言ったのはなぜだと思った?」
 証人「身の危険を感じて仕方なく言っていると感じた」

 一方、同じ発言について被告は「やっぱり軽い女だなと思った」と供述した。

 このほかにも、被告以外の3人が、被害者は暴行される際に「足をバタつかせて抵抗していた」という供述をしたのに対して、被告だけは「お尻を浮かせてくれていると思った」と供述した。

 被告は一貫して、性行為は合意であり、途中から被害者の気が変わったという趣旨の主張を繰り返した。

 検察官「3人から触られて被害者は喜んでましたか?」
 被告「表情見てないんでわかりません」

 検察官「普通喜びますか?」
 被告「人それぞれなんでわからないです」

 検察官「被害者が窓を開けて『助けて』と叫びましたよね? それでも嫌がっているとわからなかった?」
 被告「酒が入っていれば喜怒哀楽も変わると思った」

 被告は質問にはきはきと早口で答えていたが、1度だけ感情を高ぶらせ、涙声になった瞬間があった。

 検察官「共犯の2人についてどう思う?」
 被告「おれとかかわっていなければ、こんなことにはならなかったし、あいつらには申し訳ないと思っている」

 だが、被害者については「やってないことをやったと言われているんで違うのではないか」と述べて、あくまで無罪を主張した。

 この日で証拠調べ手続は終わった。裁判官の目には被告の発言がどのように映っただろうか。

 次回公判は3月19日に開かれ、検察側の論告求刑が行われる。
     (末崎光喜)

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