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2008年02月13日(水) 12時06分

<新銀行東京>都に増資引き受け要請を検討毎日新聞

 東京都が1000億円を出資し、その後経営不振に陥っている新銀行東京(本店、千代田区)が、都に300億〜500億円規模の増資引き受けの要請を検討していることが分かった。増資を巡っては、石原慎太郎都知事がこれまで一貫して否定してきた。

 新銀行は07年9月中間決算で累積赤字が936億円に達した。出資比率に換算すると、都は8割近い約789億円の損害を出した計算になる。昨年11月、経営トップの代表執行役に、新銀行の発足準備に当たった前都港湾局長の津島隆一氏が就任し、他の金融機関への事業譲渡も含めて検討してきた。

 増資による再建策を実施すれば、今後とも都出資による銀行経営を継続する道を選択することになり、抜本的な対策を求める都議会の反発も予想されることから、実現にはなお曲折が予想される。

 石原知事は13日、記者団に、「正式に聞いていない」としながら、「定例都議会(20日開会)に諮ってもらいたいとの考えか」との質問に、「そうですね、時間もそんなにないと思う」と答えた。

 新銀行は、バブル経済崩壊後の貸し渋りに苦しむ中小企業の支援を旗印に05年4月、開業したが、不良債権処理に一息ついた他行の業績回復と開業が重なったことや、原則無担保を主体にした融資で焦げ付きが続出し、開業当初から経営悪化に陥った。【木村健二、佐藤賢二郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000049-mai-pol