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2008年02月13日(水) 02時36分

<丸八証券>元相談役ら3人、13日にも逮捕へ 名古屋地検毎日新聞

 東海地方が地盤の「丸八証券」(名古屋市)が新規上場企業の株価を不当に高値で固定した疑いが強まり、名古屋地検特捜部は証券取引法違反(相場操縦)容疑で13日にも吉田則雄元相談役(67)=解任=ら当時の幹部3人を逮捕する方針を固めた模様だ。法人としての同社も立件する方針で、証券会社自らが市場の公正性をゆがめたとして刑事責任を問われるのは初めて。

 同社と元相談役宅には証券取引等監視委員会が07年12月に強制調査(家宅捜索)。特捜部は監視委と連携して捜査し、今月6日に元相談役から任意聴取した。元相談役は毎日新聞の取材に「(株価を)固定しろとは言っていない」と関与を否定している。

 調べでは、同社は食品会社「ケイエス冷凍食品」(大阪府泉佐野市)が06年3月に名古屋証券取引所2部に新規上場した際、主幹事を担当。一般顧客を担当するリテール本部の当時の本部長(59)と副本部長(52)が公募価格(1850円)以上で同食品株購入を勧めるよう本支店に指示し、同4〜5月、客約100人から計約3万3000株の注文を受けて買い付け、株価を維持した疑いが持たれている。

 第三者の同社調査委員会の報告書によると、10年以上社長を務めて絶対的存在だった吉田元相談役が元本部長と元副本部長に上場前「公募価格割れしないように」と発言。元本部長らは「価格維持の業務命令」と受け取った。同社内の評価では「同株は成長性が薄く、指示がなければ積極的に勧誘できる銘柄ではない」とみられたため、報告書は「リテール本部が主導したとは考えにくい」と指摘した。特捜部も同様の見方を強めているとみられる。

 監視委は07年9月、証券会社による株価固定で初の行政処分を金融庁に勧告。金融庁は同10月、同社に最長40日間の業務停止を命令した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000016-mai-soci