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2008年02月13日(水) 20時00分

3億追加し「価値8億円」=ICF元社長ら、逆算で金額合わせ−大阪府警時事通信

 東証マザーズ上場のIT関連企業「アイ・シー・エフ」(現オーベン、東京都)の虚偽公表事件で、逮捕されたアイ社元社長佐藤克容疑者(32)らが買収先の広告会社の企業価値を算出する際、水増しした売り上げを元にした額に、さらに3億円を上乗せしていたことが13日、分かった。
 佐藤容疑者らは、買収を仲介したパチンコ情報会社「梁山泊」実質オーナー豊臣春国容疑者(57)に渡す自社株を約8億円分と決め、企業価値を過大に算定していた。豊臣容疑者は入手した全株を元ライブドア副社長榎本大輔氏(36)側に売却。一連の取引で約5億8000万円の利益を得ており、大阪府警捜査4課は取引の全容解明を進める。調べでは、梁山泊は2004年2月、インターネットを利用した広告などでアイ社と約10億円の取引を始めた。豊臣容疑者はうち4億円を支払った後、佐藤容疑者に「効果がないから代金を払わない。払ってほしければアイ社株をくれ」と要求。佐藤容疑者は6億円が未払いになれば売上高の減額修正を余儀なくされると考え、株式交換で広告会社「大阪第一企画」(大阪市)を買収し、新規発行する8億円分のアイ社株を渡すことで豊臣容疑者と合意した。大阪第一企画は豊臣容疑者が実質的に支配し、売上高は月1700万円程度だったが、梁山泊グループとの架空取引で約1億円に急増。佐藤容疑者とアイ社元役員小野高志容疑者(34)は企業価値を売上高の5倍と計算し、さらに未払い分の半額3億円を上乗せして8億円としたという。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000164-jij-soci