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2008年02月13日(水) 19時32分

<石橋産業事件>許、田中被告の実刑確定へ 最高裁上告棄却毎日新聞

 東京の石油卸商社「石橋産業」から約179億円相当の約束手形をだまし取ったとして詐欺罪などに問われた韓国籍の元会社役員、許永中被告(60)と元東京地検特捜部検事の弁護士、田中森一(もりかず)被告(64)に対し、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は12日付で上告棄却の決定を出した。許被告を懲役6年、田中被告を懲役3年の実刑とした2審・東京高裁判決(06年1月)が確定する。田中被告は近く弁護士資格を失い、収監される。

 弁護側は「だますつもりはなかった」などと無罪を主張したが、小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べた。

 1審・東京地裁は02年6月、許被告に懲役7年、田中被告に同4年を言い渡したが、2審は「1審判決後に石橋産業が手形債務訴訟で勝訴し(支払い義務を免れて)損害が出なかった」として減刑した。

 許被告は事件当時、イトマン事件で商法の特別背任罪などに問われ保釈中だった(その後、実刑が確定し収監)。田中被告は01年に保釈後も弁護士活動を続け、昨年発刊した自伝本はベストセラーとなった。【高倉友彰】

 ◇石橋産業事件

 許被告らは96年1〜10月、京都市のノンバンクから受けた融資の返済に充てるため、石橋産業側に「銀行を信用させ融資を引き出すための見せかけ」とうそを言い、額面計約179億円の約束手形に裏書させた上で交付させ、詐取した。捜査の過程では、同社側から中尾栄一元建設相=受託収賄罪で実刑確定=にわいろが渡った汚職事件も判明した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000111-mai-soci