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2008年02月13日(水) 08時01分

9・11テロ犯起訴 米国防総省、極刑要求産経新聞

 【ワシントン=山本秀也】米国防総省は11日、国際テロ組織アルカーイダ幹部で、2001年の米中枢同時テロの計画を立案したとされるハリド・シェイク・モハメド被告ら同事件に関与した6人を殺人罪などで特別軍事法廷に起訴した。同省の法務顧問を務めるハートマン准将は、「有罪評決を得れば死刑を求刑する」として、約3000人の命を奪ったテロ犯に極刑を求める方針を表明した。

 アルカーイダのナンバー3だったモハメド被告は、2003年3月にパキスタン国内の立ち回り先で逮捕され、キューバのグアンタナモ米海軍基地内の収監施設に他の5被告とともに収容されてきた。

 米中央情報局(CIA)は今月初め、「特別重要犯」に指定された同被告を「水責め」にかけていたことを初めて確認したが、ハートマン准将は公判の維持に自信をみせている。

 国防総省によると、起訴されたのは計画立案者のモハメド被告のほか、テロの「実行犯」となった航空機ハイジャック犯の訓練係や連絡役だった5被告。殺人や共謀など、罪状は合計169項目に及ぶ。

 04年に独立調査委員会が公表した米中枢同時テロに関する報告書によると、モハメド被告は、アルカーイダ指導者で同時テロの主犯であるビンラーディン容疑者に対し、96年にアフガニスタン国内での面会で航空機を使った対米テロの基本構想を提示。99年の協議で、世界貿易センターや国防総省などの攻撃目標が決まり、これを受けて実行犯の選定と訓練が進められていた。

 今回の起訴は、世界を激震させた米中枢同時テロに対し、司法の裁きを下す意味を持つ。ただ、「テロ組織と国家の戦争」という新たな枠組みのなかで、米政府の司法手続きをめぐる人権状況についての批判も、米内外から出ていた。

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