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2008年02月12日(火) 21時39分

海外でわいろの疑い ブリヂストン 計1億5千万円朝日新聞

 ブリヂストン(本社・東京)は12日、原油の積み下ろしに使うゴム製の「マリンホース」などの販売を巡って同社側が、中南米や東南アジアの公務員へのわいろなどとして計約1億5000万円を不正に支払っていた疑いがあると発表した。同社は同日、この支払いには不正競争防止法違反(外国公務員への不正利益供与)の疑いがあるとして東京地検に調査内容を報告した。

記者会見で頭を下げるブリヂストンの荒川詔四社長(手前)=12日午後、東京都内のホテルで

 荒川詔四社長は経営責任について「過去からの課題を一掃することが私の責務だ」とし、退任の意向はないと強調。再発防止策としてマリンホース事業から撤退し、担当部門も解体するという。関係資料の提出を受けた検察当局は今後の対応を検討している。

 同社の発表によると、不正があったとされるのは、マリンホースのほか、川の水量を調整する「ラバーダム」、岸壁の緩衝材「防舷材」の3製品の取引。03年以降、中南米と東南アジアの各国で発注された計20件近くの事業で不正支出の疑いが確認された。

 これらの製品販売に伴い、海外の子会社を通じて現地の仲介業者に支払う販売手数料に不正に上乗せする方法で計約1億5000万円を過剰に支払った疑いがあり、この資金が仲介業者から現地の公務員に渡ったとみられる。このうち、いくらが渡ったかは不明だが、同社担当者は現地の公務員に不正に渡されることを認識していたとされる。

 同社側で不正に直接関与したとされるのは、担当の化工品海外部の社員約10人。支出の最終の決裁者は同部の部長か課長クラスだったという。

 外国公務員に金銭を提供した目的は受注の謝礼や、同社に有利な仕様書を作ってもらうためだった。相手方の公務員の氏名などは不明だが、政府高官は含まれないという。

不正は約15年前からあった可能性があるといい、支出額はさらに膨らむ可能性がある。同社は5月をめどに調査報告をまとめる。関与した社員の処分は、その段階で決めるという。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0212/TKY200802120283.html