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2008年02月12日(火) 23時12分

<病気腎移植>万波医師、保険医取り消しへ 2病院も処分 毎日新聞

 愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院の万波(まんなみ)誠医師(67)らによる病気腎移植問題に関連し、厚生労働省は、万波医師の保険医登録の取り消しと、同病院と万波医師の前任地だった市立宇和島病院の保険医療機関指定を取り消す方針を固めた。監査の結果、診療報酬の不正請求などが確認されたため。

 保険医登録や保険医療機関指定の取り消し処分期間は原則5年。同省は今後、両病院に対する聴聞会をそれぞれ開き、学識経験者らによる愛媛地方社会保険医療協議会に諮問し答申を得て処分を決めるが、両病院は県南部地域(南予地域)の中核病院。保険医療機関指定を取り消されると、診療費は原則患者の全額負担になるなど、市民への影響が懸念される。このため、処分が続く期間が焦点になるが、実際には、病院への処分が1カ月で終了したケースもある。

 万波医師は、両病院で計36件の病気腎移植を執刀。この移植について同省は「省令で禁止された特殊療法に当たる」として不正請求を指摘。市立宇和島病院からは本来保険請求できない投薬や注射などの不正請求も確認された。

 市立宇和島病院は南予地域9市町で唯一の救命救急センターを併設。宇和島徳洲会病院は300床(介護も含む)と病床数が多い。指定が取り消されると救急や入院患者への影響も心配されている。このため、同県の加戸守行知事は今月1日、舛添要一厚労相に対し、市立宇和島病院の保険医療機関指定取り消し処分をしないように求める要望書を提出していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080212-00000155-mai-soci