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2008年02月12日(火) 20時41分

<ダスキン>役員に53億円の賠償命令確定…株主代表訴訟毎日新聞

 「ミスタードーナツ」の無認可添加物入り肉まん事件(02年)を巡り、運営会社「ダスキン」(大阪府吹田市)の元社員が当時の役員13人に約106億円の賠償を求めた株主代表訴訟で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は12日、双方の上告を退ける決定を出した。総額約53億円と異例の高額賠償を命じた2審・大阪高裁判決が確定した。

 2審は、事実を隠ぺいした元役員らに対し「事実公表や販売中止・回収で消費者の信頼回復などに努める義務に反した。ただ、すぐに公表しても損害は生じた」と指摘。加盟店への営業補償など105億6100万円の半額と、外部業者への口止め料6300万円の計53億4350万円を会社の損害と認め、賠償を命令した。

 請求通り約106億円の支払いを命じた1審より賠償額を減らされた元社員側と、役員側の双方が上告していたが、小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べ、具体的判断は示さなかった。

 2審判決によると、肉まん販売担当の元役員らは00年、中国製肉まんに国内無認可の添加物が混入していることを業者の指摘で知ったが「公表すれば各店舗が混乱する」と販売を継続。02年に発覚後、同社は加盟店補償などの支出を余儀なくされた。刑事事件にも発展し、元担当役員2人と同社は食品衛生法違反で罰金各20万円の略式命令が確定している。

 株主代表訴訟での高額賠償は▽旧大和銀行1審判決約830億円(2審で和解)▽ヤクルト1審判決約67億円(2審係争中)−−などがある。【高倉友彰】

 ダスキンの話 全社一丸となって引き続きコンプライアンス経営の構築に努めます。

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