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2008年02月10日(日) 03時00分

加工品も原産地表示、都などが検討 ギョーザ事件受け朝日新聞

 中国産冷凍ギョーザによる中毒事件をきっかけに、加工食品の原産地表示の見直しに向けた動きが出ている。現在は、原材料が外国産でも日本国内で製造された場合は、一部の品目を除いて原材料の原産地を表示する義務がない。東京都の石原慎太郎知事は表示の強化を独自に検討する方針を表明。政府与党も検討を始めている。

原産地の表示義務

 食品の原産地の表示は、日本農林規格(JAS)法に基づく告示で定められ、農産物などの生鮮食品や、輸入された加工食品には原産地の表示が義務づけられている。今回、中毒を引き起こした製品は、中国・天洋食品で作られた輸入品だったため、包装の裏面に「中国産」と原産地名が記されていた。

 その一方で、国内で製造された加工食品の多くは、外国産の原材料を使ってもその表示義務がない。義務があるのは加工度が低い「塩蔵魚介・海藻類」「乾燥キノコ類・野菜・果実」など20食品群で、かつ重さが全体の半分以上の原材料などに限られているからだ。

 事件を受けて自主回収の対象となった製品のなかには、天洋食品の原材料を使って日本国内で製造されたものがあり、そうした製品には原産地の表示がなかった。

 都条例にも原産地表示に関する規定はない。石原知事は8日の定例記者会見で「東京は日本最大の消費地。国に先んじて条例ででも、原産地表示がすべてに及ぶような規定を考えていきたい」と語った。

 自民党も今月1日、「輸入食品の原産地表示の抜本的強化」を含む緊急提言を首相に提出した。首相の諮問機関「国民生活審議会」は、原産地表示のあり方を含め、3月までに意見をまとめる予定だ。

 消費者団体の主婦連合会は「加工食品の表示を見て選ぶ消費者は増えている。今の表示では不十分」と訴えている。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0209/TKY200802090270.html