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2008年02月09日(土) 00時55分

姜尚中東大教授、コリア国際学園の理事長辞退朝日新聞

 在日コリアンを主な対象として今春、大阪府茨木市に開校するインターナショナルスクール「コリア国際学園」の理事長に就任予定だった姜尚中・東大教授が就任を辞退していたことが分かった。同学園は当面、NPO法人が運営し、今年7月に学校法人の認可申請を計画している。姜教授は先月、学校法人の理事長は東大の兼業規程に違反するとの指摘を上司から受け、NPO法人の緊急会合で理事長に就けないことを伝えた。

 姜教授は当初、学校法人の認可申請に合わせて東大に兼業申請し、判断を仰ぐつもりだったという。東大の兼業規程に基づく基準は、営利企業以外の団体でも役員については職責の重さから兼業を許可できない事例に挙げており、東大は「学校法人の理事長は認められない」としている。

 姜教授は「理事長になったとしても無給だった。ただ兼業の問題のほかに離れていて2カ月に1度くらいしか行けないということもあり、違う立場でかかわっていく」としている。その場合も無給で、顧問的な役割が考えられるという。

 コリア国際学園は中・高等部からなり、韓国語、英語、日本語を教える。東アジアや世界をまたいで活躍する「越境人」育成を目指す。

 昨年、週刊朝日誌上で姜教授と論争した川人博弁護士が、姜教授の理事長就任予定を知り、兼業は問題があるとみて東大に問い合わせたことから分かった。

 川人弁護士は8日会見し、「東大の迅速な対応は評価したい」としたうえで「同学園の創立に引き続きかかわるのは、国立大教授という現職に照らして社会的相当性を欠く」とした。

 国立大教員の兼業問題は法人化前の99年、中谷巌・一橋大教授(当時)がソニーから社外取締役に招かれたが兼業が認められず、大学の辞職を迫られて問題化したケースがある。

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