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2008年02月09日(土) 11時55分

ネットで安値ガソリン検索 「口コミ」サイト人気朝日新聞

 ガソリンスタンド(GS)の店頭販売価格をインターネット上で紹介しているホームページが人気だ。GSを利用したドライバーが販売価格を投稿し、安さのランキングが付けられる仕組み。いわば、全国レベルの巨大な「口コミ」情報だ。原油高でガソリン価格も高騰し続けているだけに、1円でも安いGSを探したいドライバーの味方になっているようだ。

 この安売りランキングは、「ガソリン価格比較サイト」。店名や住所のほか、元売り会社の系列などが盛り込まれる。全国と各都道府県別のデータが載る。

 無料で事前登録した人が、GSのガソリンの価格や店の場所などのデータを投稿し、それが画面に反映される。

 3日の午後、愛知県内で上位にランキングされた豊明市新田町のGSには、給油待ちの車が列をつくった。レギュラーガソリンの平均小売価格が150円を超える中、「138円」の看板がかかる。

 名古屋市守山区から来た会社員の男性(42)は、かつてこのGSの近くの会社に勤務していた時、同僚から「安売りのGS」と教えてもらった。「ガソリンを入れる時は、このサイトを参考にしている。やっぱり安いところは気になります」。同県安城市の会社員の男性(39)も「サイトを見ていると、県ごとに価格差があることが分かる。どこも大変だなと思う」と話す。

 サイトは04年11月、東京都品川区の小川智史さん(36)が立ち上げた。ガソリン価格がじりじり上がる中で、価格表示がない店もあることに不満を感じていた。「gs」というドメイン名を偶然見つけて、「ネット上で価格を比較したら面白いかも」と思い立った。

 登録者は昨年6月に10万人、同12月には15万人を突破した。アクセス数も昨年9月は約18万人、10月は約24万人、11月は約40万人と右肩上がりだ。

 一方、愛知県石油商業組合の担当者は「自宅近くの価格や、通勤圏の価格、たまたま行く先の標準的な価格を知るのには使えるが、1、2円安いからと何十キロも離れたGSに給油に行くのは本末転倒」と指摘する。

 価格を下げてGSの経営は成り立つのか。同組合は「卸値や輸送費など、価格はガラス張り。どこもカツカツでやっているはず」と説明する。あるGS店長は「ガソリンではなく、洗車やタイヤの交換などでかろうじて利益が出ている程度」と話している。

 石油情報センターによると、4日現在のレギュラーガソリン1リットルの平均小売価格は、愛知県内が152.4円、岐阜県が153.3円、三重県が153.2円となっている。 アサヒ・コムトップへ

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