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2008年02月08日(金) 00時00分

日航が4800万円の賠償認諾 個人情報の無断保有訴訟中国新聞

 日航最大のJAL労働組合が、客室乗務員約九千八百人の個人情報リストを無断で保有していた問題で、乗務員ら百九十四人と別の労組が日航とJAL労組などに計約四千八百万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が七日、東京地裁(中西茂裁判長)であり、日航側は請求を認諾し、全額を支払うことを明らかにした。

 日航広報部は「会社再建中の労使間の係争は避けねばならず、大所高所から認諾した。組織としてのリスト作成への関与や不当労働行為という原告の主張自体を認めたわけではない」とのコメントを出した。

 争う姿勢を示したJAL労組とリスト作成に関与した管理職らとの間の訴訟は継続する。

 原告は労組「日本航空キャビンクルーユニオン」と現役、OBの乗務員。閉廷後「問題の真相を隠すために金だけ払うのなら許されない。会社に説明を求めていく」と述べた。

 訴えによると、JAL労組は客室乗務員らの住所や生年月日のほか、思想、病歴、家庭環境、容姿、性格など約百五十項目の個人情報を収集し管理していた。

 原告側は「日航とJAL労組が組織的に情報交換しリストが作成された。会社が組織的に関与した不当労働行為に当たる」と主張。

 この日の弁論で日航は、原告の主張を「事実無根」と否定した直後、賠償請求を認諾し、日航については訴訟が終結した。

 この問題は昨年二月に発覚。日航は関与した社員やJAL労組OBら二十五人に対し、停職や所属長による注意などの処分をした。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802080080.html