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2008年02月07日(木) 01時17分

闇サイトで募集、養子縁組で「振り込め」口座…5人逮捕読売新聞

 闇サイトで募集した男らに養子縁組で別人になりすまさせ銀行口座を開設したなどとして、神奈川県警旭署は6日、東京都立川市柏町、無職宮後(みやご)直人容疑者(25)ら5人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。

 宮後容疑者は昨年6月までの半年間に300を超える口座と1000台以上の携帯電話を不正に入手して転売していた。口座は全国で154件の振り込め詐欺に悪用され、被害総額は5億3500万円に上る。金融機関などが本人確認を強化するなか、養子縁組が悪用されている実態が浮かび上がった。

 ほかに逮捕・起訴されたのは、東京都江戸川区、無職男(39)(詐欺罪で有罪確定)、練馬区、風俗店員の男(22)、いずれも横浜市の27歳と24歳の無職男。

 調べによると、宮後容疑者は昨年1月、東京都足立区の都市銀行支店で、他人に渡す目的を隠して自分名義の口座を開設し、通帳とキャッシュカードをだまし取った疑い。

 また、無職男ら4人は昨年2〜6月、養子縁組して名前を変えるなどして、都内の金融機関で、宮後容疑者に売り渡す目的で口座を開設、通帳などをだまし取った疑い。

 宮後容疑者はネット掲示板「闇の職業安定所」に、「ケータイ買い取ります」「誰でも簡単に高収入が得られます」と書き込み、連絡してきた江戸川区の無職男ら4人から携帯電話を約5000円、口座を約1万5000円で買い取っていた。

 宮後容疑者はそれぞれの仕入れ値に1万円程度を上乗せして、ブローカーに転売、約1500万円の利益を得たとみられる。

 4人は、闇サイトで「養父」役に応募してきた多重債務者らと養子縁組を繰り返し、次々と別人になり変わって、口座を開設。

 宮後容疑者は、こうした仕組みを自ら「親子システム」と呼び、4人のうちの1人は養子縁組を繰り返して、身元を変える手口で20口座と175台の携帯電話の契約をしていた。

 横浜市旭区で昨年5月に被害があった振り込め詐欺事件で、使われた口座の捜査から、宮後容疑者らの関与が判明した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080206-OYT1T00624.htm