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2008年02月06日(水) 03時10分

自動車冷却水添加剤、「燃費向上」根拠なし 公取委判断朝日新聞

 自動車のラジエーターに入れるだけで走行燃費が向上するなどの効果をうたった自動車用冷却水添加剤が景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、公正取引委員会は近く、メーカーと販売会社に対し、排除命令を出す方針を固め、事前通知した。表示した効果について、合理的な根拠がないと判断したとみられる。メーカーは「燃費向上の効能を示すデータはある」と反論している。

 関係者によると、排除命令を受けるのは、自動車の冷却水に混ぜて使う添加剤「起爆水」を製造する福岡県の「すばるメディア」と、大阪府の販売会社「ピエラス」。

 ネット上のショッピングサイトなどでも販売されており、効果について「排ガスを浄化し、燃焼効率を上げる」「燃料消費量がガソリン車で3〜30%程度減る」などと説明している。

 公取委は、実験データなどの科学的な根拠が不十分だったとして、不当表示と判断したようだ。

 メーカー側は「商品にはエンジンの熱や電磁波を反射する元素結晶体を入れている。利用者からも効果を示す報告があり、実験データもある」と反論。「裁判になっても争う」と話している。一方で「なぜ結晶体が燃費を向上させるのか、解明されていない理論も残っている」とも話している。

 公取委幹部は「購入した人は、効果が出たかどうか確認するため、普段よりも気をつかって運転する。効果があると感じるのは乗り方が違うからであって、商品は『お守り』的な役割しか果たしていない」と話す。

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