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2008年02月05日(火) 07時57分

グーグル、ヤフー支援申し出 MSの買収阻止狙う朝日新聞

 インターネット検索で世界最大手のグーグルが、米マイクロソフト(MS)から買収提案を受けた同業大手の米ヤフーに対し、買収を阻止するためにあらゆる協力をすると申し出ていたと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が4日報じた。ヤフーは従業員あての社内メールで「何の結論も出していない」としており、今後の出方は不透明だ。

 WSJによると、MSがヤフーへの買収提案を発表した1日、グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)が、ヤフーのジェリー・ヤンCEOに電話で支援の考えを伝えた。

 グーグルは3日の声明で、MSに対して「不公正な慣行をネット事業にまで拡大することにならないか」などと独占禁止法上の問題を警告。ソフト事業で圧倒的な地位を築くMSの拡大戦略に強い危機感をにじませる。

 ただ、当のグーグルもすでに米ネット検索市場のシェアが6割近く、2割強のシェアを持つヤフーと何らかの提携をした場合は独禁法に抵触しかねない。このため、WSJなども「グーグルがヤフーに買収提案する可能性は低い」としている。

 ヤフーが広告関連業務などをグーグルに外部委託し、グーグルが資金面でヤフーを支援する形なども指摘される。だが、これも独禁法上、問題になる可能性がある。

 一方、ヤフーのヤンCEOらは1日の社内メールで、MSの買収提案について「株主や従業員の価値を最大化させるために我々が検討している多くの選択肢の一つ」と説明。同日時点では「何の結論も出していない」と強調した。

 ヤフーはMS以外の企業との提携を模索しているとの米国内の報道もある。ただ、WSJなどは4日、具体的な提案や買収準備をしている企業はないとしたうえで「状況が変わる可能性はまだある」と報じた。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/business/update/0204/TKY200802040366.html