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2008年02月05日(火) 21時20分

<中国製ギョーザ>厚労省は冷静な受け止め…実態把握急ぐ毎日新聞

 中国製冷凍ギョーザから新たに別の農薬が検出されたことに、厚生労働省は「既に自主回収・販売自粛要請の対象となっている商品で、新たな被害防止措置は必要ない」と、冷静に受け止めている。ただし、汚染の広がりが不明なため、これまで健康被害の訴えがあった商品について、メタミドホスに加えてジクロルボスの検査も実施するよう、都道府県と販売元に早急に依頼するとしている。

 厚労省はこれまで、天洋食品で製造された冷凍食品全体を警戒対象にしてきた。ジクロルボスが検出された商品も「同じ網の中にある」(輸入食品安全対策室)ことから、新たな健康被害が大量発生する可能性は低いとみている。1月30日以降に全国の保健所に寄せられた健康被害の届け出の中にも、中毒と判明した3家族10人以外に、ジクロルボスを含んだ有機リン系中毒が疑われる例はないという。

 一方、混入経路については、皮の濃度が高かったことや溶媒になるトルエンのにおいがあったことなどから、加工されたギョーザに液体状の殺虫剤が付着した可能性があるとみている。メタミドホス混入と関連があるかどうか現時点では不明で「まったく別のルートで汚染が広がっている危険もある」と、実態把握を急ぐ構えだ。

 厚労省によると、07年1月以降、検疫所での輸入食品の検査でジクロルボスが検出されたケースは4件あり、いずれも生鮮カカオ豆。濃度は最大0.04ppm(1ppmは100万分の1)で、残留基準(0.5ppm)以下だった。【清水健二】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080205-00000140-mai-soci